Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
人間受難期
しかし彼女には、そこの御能見物や、美酒美女よりも、護国寺詣りのほうが、はるかに興味があったらしい。虚栄と、迷信と、綱吉にたいする盲愛ほど、彼女をとらえるものはなかった。
なべて、彼女は盲情家だった。
綱吉を盲愛し、吉保を盲寵し、また、護持院隆光を盲信した。
護持院の七堂伽藍は、彼女が黄金にあかせて、寄進したものである。その普請中、不念入というかどで、最初の奉行、棟梁、小普請方など、幾人もの者が、遠島に罪せられたほどやかましい建立であった。そのときまだ一側用人だった吉保が、次の奉行となって、お気に入ったのが、彼の今日ある立身の緒であった。それにみても、かれと隆光と桂昌院との、大奥における女謁政治が、以後、どんなかたちで育ち、三人のみの秘密が愛されてきたかがわかる。
暗君、暴君は世界にも少なくないが、まだかつて、どこの国の悪政史にも見ない――生類御あわれみという、奇異な法令が、とつとして、発せられたのも、それからのことであった。
人間受難期
“生類御憐愍令”
この発令は、貞享四年正月であった。以後、この法律は、綱吉の死ぬまで、足かけ二十三年間解かれなかった。