Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
二つの飛報
「人に頼んでは、もしやのことが心配になるし、自分が、奉行所の中へ行くわけにはゆかないし……」
と、例の、左右太から頼まれて来た連絡の手紙を、帯のあいだに持って、気が気ではない容子だった。
店の石焼豆腐は、与力部屋や同心部屋へも、折々、出前に入るので、もし註文があったら、自分が、岡持をさげて――などと考えていたが、午もすぎたせいか、店には客がいッぱいだが、役宅からは、お誂えもない。
すると、たそがれ近く――
「お次さん。いるか」
偶然、小林勘蔵が、四、五日前に、かの女の手からよそへ頼んでくれた袷の仕立代を払いに、顔を見せた。
「まあ、そんなもの、よろしいんですのに」
「いや、取ってもらわないと、これから吾儘が頼めないから」
「そうですか。じゃあ、いただいておきますが、家のお店も、奉行所に御用のあるお客さま達のために、こう繁昌しているのですから、せめて、何なりと、御不自由な御用は、遠慮なく、仰っしゃってくださいまし」
そこには、人がいたので、お次は、庭向きの小座敷の方へ、茶を運んで、
「どうぞ、こちらで一ぷく遊ばして」
と、敷きものを、すすめた。
勘蔵も、実は、人なき所で、お次の口から、以後の左右太の動静を知りたくて来たらしく、すすめられるまま、腰かけて、