Japanische Klassiker mit Furigana
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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
「来ることにはなっておるが、まだ見えん。……何か、例の事件について、目鼻がおつきかの」
「明日をも待っておられないので」
「やれ、それはめでたいな」
老人はすでに、南の手で、事件の解決は見たもののように、よろこびぬいた。
そこで、夕飯の馳走になっていると、息せいて、額に、汗をにじませた市川義平太が、あらあらと、入って来て、
「やあ、来ておられたか。こっちから、訪ねようかと思っていたのだ。おお、お次さんも」
共に、膳へついたものの、義平太は、いつになく、酒もひかえ、早飯に喰べ終って、
「実は、きのうも立ち寄ったばかりだから、ムダとは思ったが、ふと、気になって、目明しの辰の家をのぞいてみたところが、――彼から、沙汰が来ていた」
「えっ、辰の方にも、何か、手がかりがあったのか」
「辰三が下に使っている半次というのが、ちょうど、おれのいる時にすッとんで来て、たいへんだというのだ」
「えっ、大変とは」
「左右太の一命が、今夜中にも、あるかないか、知れないという報らせだ。……何しろ、こんどのことは、一切、役宅へは、表立って、連絡に来るなといってあったものだから、辰三も弱ったらしい。