Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

断行

断行

「番太郎っ、ここを開けろ。腰障子を」

ふたりは、縄付のお袖をそこの土間へ連れこむと、ほっと、炎のような大息をつき、番屋の中の片隅へ、へなへなと、崩れるように、腰をついてしまった。

「…………」

左右太も義平太も、もう何もいう気力はない。

これで、越前守様の運命も、はや、決まったと、思うだけであった。

どうしても、泣けてくる。泣くまいとすればするほど、こみあげてくる。

いかに、江戸町奉行という重職にあるとはいえ、これほどまでに、しなければならないだろうか。

義平太の父、市川楽翁が、いつも激越な自信をもって、その非をいってやまない声が、たちまち、二人の耳に、甦っていた。

――とはいえ、もうお袖に縄をかけた今夜、何を今更、考える余地があろう。おそらく、これを知ったら、市川楽翁は、自説の破れを悲憤して、自刃するかもわからない。いや、慥にするといっていた。あの老人のこと、言を、ひるがえすはずはない。

「……自分らも、生きてはおれぬ」

ふたりはもう言外に、それを誓いあっていた。もう一名の同僚、小林勘蔵とて、いさぎよく、自決の道をとるだろう。

「……何たることだ。