Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme
打消そうとしても、そのあわれなる姿は、もう一生消えまい。
だが、見物人の声の中には、よくある強盗、放火、殺人などを犯した者にたいするような悪罵も怒りも聞かれなかった。むしろ、かれらは暗黙のうちに、裸馬の背に同情していた。ある者は、お念仏をとなえたりした。ある者は、ひそかに合掌していた。またある者は、よくやッてくれたと、いわぬばかりな眼をもって見送っていた。
それらの人影も、師走らしく、たちまち蝟集して、たちまち散った。あとには、路傍の枯れ柳と、大岡市十郎だけが残っていた。
「めずらしいじゃねえか。市十郎。おめえはたしか、於市だろうが」
思いきや、まだ柳の木蔭に、もひとり人影が佇んでいた。長刀をぶっこんで、熊谷笠とよぶ荒編みの物を、がさつに顔へひッ被った浪人である。
「えっ。……ど、どなたでござったろうか」
「ござったろうかもねえもんだ。おれを忘れちゃ困る。その子を生んだお袖なざあ、おめえよりは、この阿能十蔵の方が、早くから目をつけていたもんだぜ」
「おう、阿能十か」
「於市。ちか頃、お袖に会ったかい?」
真ひるの闇
夜になるとよくこの辺の売笑婦たちが集まってくる茶めし屋の葭簀囲い。