Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
いつか広津和郎氏が築地小劇場風の冠り方ということを手真似までして話してくれたことがあったが、なるほどその鳥打ちの冠り方はさも左様らしくあったので大変面白いと思ったことがあった。
左様に人間と帽子との関係が密接なように、絵と額縁との関係も密接に行かなければならないのだ。ところでわれわれが額縁を買いたいと思っても今の日本であっては、これは帽子屋へ走るような具合にうまく早速の間には合い難いのだ。それは額縁がないからではないが本すじのものがないからだ。
額縁屋を現在の帽子屋と比較するとまず時代からいって前者は三、四十年も遅れているようだ。帽子は同じく西洋から起こったものではあるがそれは目下支那、日本、南洋、インド、ペルシャ、とにかく地球上での文明を持つ国では一様に帽子を冠っている。ちょうど123の数字が地球上に拡がっている如く帽子は拡がっているのだ、そして帽子屋は世界中のどんな小都市にまでも行き渡っているのだ、その形式も流行とともに多少の変化はあるが帽子の本すじは伝統的に一つの形式を作っているようである。
油絵の額縁もその通り世界中に拡がるべき性質のものだ、油絵を日本の表装仕立てなどしてはとうてい嫌味で滑稽だ、お座敷洋食となり、茶人の帽子となり神代杉となって怪しからず嫌味で下品なことになってしまう。