Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme
五月一日
私に、その点が兎に角うそでなく感じられる丈、私も苦しむ。
◎
自分が弱く、彼を憎むことが出来ないのは一層ことを複雑にする。自分は誰に対しても憎しみ丈を強めて思うことは出来ない。彼には一種の哀れさがある。顔を見ると、冷淡にし切れない。そこが一方から云うとわるい。
◎
去年の六七月以来、自分は、絶えず動く波に浮いて居るように感じる。(内的に)どこかの岸に打ちあげられずには居まい。岸の遠くない直覚もある。どの岸か? 人間の生存のうちには、確かに道徳の彼岸がある。
よい、わるい以上のことがある。性格の如きはその一例だ。彼方側まで突ぬけるべきを、此方側で、ちょこちょことまとめようとするから、大きな破綻が終に生じる。
五月一日
五月一日! 五月一日! 感あり。深い感あり。
昨晩、若い芽がしなやかに強靭な枝を飾った栗の梢に、高く遠く、小さい円い月と一つ燦く星とが(金星?)実に美しいつり合いで懸って居るのを見た。真個に、初夏の夜の空の飾りと云う心持。見て居ても、見て居ても見あきず、美しさで子供に還るような魂の爽やかさ。