Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
二十八
従ってそれを片付けるのも容易であった。ただ簡単に断りさえすれば済んだ。
「しかし一旦は貴方の御耳まで入れて置かないと、私の落度になりますからね」と比田は自分を弁護するようにいった。彼はどこまでもこの会合を真面目なものにしなければ気が済まないらしかった。それで言う事も時によって変化した。
「それに相手が相手ですからね。まかり間違えば何をするか分らないんだから、用心しなくっちゃいけませんよ」
「焼が廻ってるなら構わないじゃないか」と兄が冗談半分に彼の矛盾を指摘すると、比田はなお真面目になった。
「焼が廻ってるから怖いんです。なに先が当り前の人間なら、私だってその場ですぐ断っちまいまさあ」
こんな曲折は会談中に時々起ったが、要するに話は最初に戻って、つまり比田が代表者として島田の要求を断るという事になった。それは三人が三人ながら始めから予期していた結局なので、其所へ行き着くまでの筋道は、健三から見ると、むしろ時間の空費に過ぎなかった。しかし彼はそれに対して比田に礼を述べる義理があった。
「いえ何御礼なんぞ御仰られると恐縮します」といった比田の方はかえって得意であった。