Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

Lesen Sie 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.016 Zeichen · 284 Bildschirme

Aozora Bunko

私たちの役割に残されたものは何があるかと思うようだが、幸いに因縁があったからコカワラヒワの一些事を記録して置こう。須走の村の片端に、くぬぎか何かの大木が路を蔽うていて、その高い梢の三つ叉に、サンショウクイが巣を掛けていた。それを見に行ってやや暫らく頸をそらし、色々評定をしてさて帰って来ようとすると、路ばたの人立ちの中から、杖をついた婆様が一人出て来る。この木にも何か巣があるようだと言って、自分の家の出入口の、二丈余りの杉の茂った枝を指さす。高田の昂さんがまるで若い者のように、靴をぬいで早速登って行くと、だまって一羽の小鳥が東の方へ飛出して行く。それがコカワラヒワであったのである。雛は昨日あたり孵ったかと思われるのが四ついたという。あれから半月以上にもなるから、もうまた大分成長したことであろう。ところがこの婆さんは子なしであった。家も建てかえたと見えて、大きな屋敷にやや不似合な、仮普請のような小屋になっている。夫婦養子をしたが夫婦とも出稼ぎに行ってしまった。そうしてただ一人、杖をつき藁草履をはいて、コカワラヒワの巣の下を出たり入ったりしているのである。