Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

Lesen Sie 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.016 Zeichen · 284 Bildschirme

Aozora Bunko

五

知らない故に歌になるような好い名前が生れなかった。すなわち斥けたと言おうよりも断念したという方が当っているのである。

畔田翠山翁の『古名録』などを見ると、牡丹をフカミグサ・ハツカ草という類の五音節語は、何百というほども設けられている。名がなければ文学の生れぬのは当り前だから、これを試みようとした者は以前もあったのだが、それが多くは我儘の、ちっとも適切でないものなので人望がなく、日本の言語として通用しなかったのだから名誉でない。国に広汎なる文芸を起そうとするならば、先ず言葉の問題を一通り解決して置かなければならぬ。歌だから咏物の詩だから事はまだ小さいが、すべてがこの調子であっては我々の筆舌は束縛せられ、少し込入った気持は上品には人に示すことが出来ない。いくら本名でもチャンパギクでは歌にならぬということが、偶然ながらも我々に大きな暗示を与えている。それでこの線路を辿って、もう少し前の方へ話を進めて見ようと思う。

五

日本に佳い単語を増加して行こうという努力には、動植物学者もたしかに参与しているが、幸か不幸か彼等は散文家であるために、少しでも歌よみの苦労を察してくれない。