Japanische Klassiker mit Furigana
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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lesen Sie 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.016 Zeichen · 284 Bildschirme
七
幾ら食うものかどころではないのである。二百万石は今日の相場で、一箇の大学でありまたは一艘の戦艦である。これは棄て置かない方が確かによいのだ。
北斎などの読み本の挿画には、田舎の豊饒を写し出そうとすると、きまって鳴子に頓著せぬらしい雀の大群が描いてある。全くこれは結果と原因との取違えであって、この通りにして棄て置いても、まだ余裕がありそうだというだけで、実は雀の一族の大繁栄が、隠れたる後代の禍根であることを知らぬのであった。雀を絵に描いて豊年万作の図と題するが如き人々が、政治を預っていた故に農村は衰えたのである。
七
妙に纏まりが悪くなったが、何としてなりとももうこの一篇を終ろう。
かかるがゆえに、雀は百姓たちの生れながらの敵である。鷺も烏も苗代を荒らすによって、農民はこれを憎んでいる。正月松の内のめでたい朝も、鳥追いと称して野らに出て大声にわめき、あたま切って尻尾切って、塩に漬けて俵につめて、西の海に流すというような怖しい宣言をする。皆これ白馬城主の金魚に対する憐憫を、今一つ下層の穀物にまで推拡めたものであった。しかもそのような憎らしいことを言いながら、雪解け春来り水盈ち稲茂り、やがて秋の風に黄金の穂が波うつ時が来ると、僅かばかりの充足に心まで酔いうかれて、かえって村雀と共に踊り歌うのである。