Japanische Klassiker mit Furigana
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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
Lesen Sie 野草雑記・野鳥雑記 (やそうざっき・やちょうざっき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.016 Zeichen · 284 Bildschirme
一
こんなに変ってしまうものなら、あの頃写真を撮るかスケッチをしてもらって置くか、自分で画を学んでもまだ間に合う位であったのに、何もしないで十年も経ってしまった。今頃どのようにその噂をして見ても、それが自分の感じていた通りに、描き出されるわけはないのであった。一度こういった記念の書を出そうと思い立って、それにいつまでも執われていなかったら、あるいはもう少し安らかな、人を楽しましめる雑記が出来たかも知れぬ。私のすることにはいつもこんな失敗が多い。
野草雑記
一
この喜多見の原の家に住み始めてから、今度はもう第十回目の春が復って来る。この間における草木の有為転変は、一つの巨大なる歴史であって、これに比べると人はむしろ常磐であったとも言える。最初私たちは久しい町の生活に馴れてささやかなる庭前の草をも容赦しなかった。必ず「年々愁処生」というような詩の句を思い出して、それを成長させて置くことが、我身をはふらかすわざのように考えていた。そうこうしているうちに道路は小砂利になり、または雨の後の泥にまみれて、根強いものまでが次第に退いて行った。家のまわりの植物は萩が先ず衰えて、今では僅かに一叢二叢が、譜第の家の子のような顔をして培われている。