Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「この匕首は?」
「見たこともありませんよ、いずれ曲者が何処からか持って来たことと思うが」
依右衛門の言葉を引取って、
「塀の外に、鞘が捨ててありましたよ」
そう言うのは番頭の宇吉でしょう、少し狐顔で、達弁らしい男です。
「昨夜、お嬢さんの死んで居るのを見付けたのは?」
「姪のお雪だ、――皆んな寝仕度だから、二階の戸を閉めながら、娘を誘いに来たということだ――縁側に血だらけになって引っくり返って居るのを見て、思わず大きな声を出すと、それを聴いて下女のお新と、倅の幾太郎が一緒に飛んで来た」
「そのお雪さんを呼んで下さい」
平次が頼むまでもありませんでした。当の姪のお雪は、階子段から半分出して居た顔を、自分から進んで二階へ運んで来たのです。
「私は雪でございますが」
お照より一つ年上の十九、「淋しい品の良い」と八五郎が形容した娘です。柄は小さい方でなく、色も浅黒く、眼鼻立ちも際立って美しいとは言えませんが、その聡明さが内から発散するのでしょう。何となくキビキビして居て、取なしが魅力的でさえあるのです。
平次は此娘に異常な興味を感じました。こんなのが存分に化粧をして、媚を強調する方法を会得したら、とんだ凄い美人になるかもわかりません。