Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

三

八五郎の話は、次第に佳境に入ります。

三

「ところで、その二人はまだ罪の浅い方だが、若旦那与吉と来た日にゃ――」

「もっと悪戯をするのか」

痴漢横行の歴史は、こうまでも古くして根強いものがあるのでした。

「巴屋へ来て、五文や八文の茶代に、小判を出して見せるんだそうですよ。それも一度や二度じゃない。お召の袷、縮緬の下着をチラつかせて、雪駄ちゃらちゃらの、脳天から声が漏れるのを気にするように、ちょいと月代を叩いて、――どうです――などと来ると、虫唾が走りますね」

「――」

「中低のしゃくれた顔、色白で、鼻声で、八文の茶代に小判で、――悪いことに、米沢町の家の板塀にのべつ穴をあけて覗くのは、彌八でも七平でも野良犬でもなくて、横山町の呉服太物問屋、伊豆屋の若旦那の与吉と聞いたら親分だって驚くでしょう」

「驚きやしないよ。――お前だって、それ位のことはやり兼ねないだろう。ところで、若旦那のお目当ては誰なんだ」

「お萩ですよ、十八になったばかりなのに、この娘はまた自棄に綺麗で可愛らしい。もう少し近きゃ、あっしも講中へ入って、毎晩あの路地に通って、良いノドを聴かせたんだが」