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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

【第三回】

「これはどういうことになるでしょう親分」

「何んでも無いよ。お房が其塀に凭れて、逢引の男を待つ癖を知って居る者が、塀の裏へ回って、脇差で塀の割れ目から、お房の背中を存分に刺したのだよ――塀の割れ目のところは人を待つ者が凭れるに、丁度足場も良いようだ」

「へエッ」

「そして曲者はお房の倒れるのを、見定めて、予て用意した、桐板に墨を塗ったので、塀の割れ目を塞いだのだ」

「誰がそんな事をしたのでしょう」

平次の説明の不気味さに、八五郎も固唾を呑みました。

「お房が此処で男を待つ癖のあるのを知ってる奴だ」

「その色男は? お房を殺した下手人でしょうか」

「いやお房が殺されたのを見て、怖気づいて逃げ出したに違いあるまいよ。お房の男が下手人ならそんな手数なことをせずに、お房を殺せるわけだ。ところで此空地の奥に住んで居るのは誰だ」

「後家のお婆さんや、無事な夫婦者ですが一軒だけ変なのが居ますよ」

「誰だ?」

「腰抜け彌八――浪人者の独り住居で、朝から晩まで色文ばかり書いて居ますよ」

此処にもまた、腰抜け侍の丹波彌八郎が、大きく浮き上がって来たのです。

【第三回】

一

「行って見ようか、八」