Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
三
「お前は近頃どうかして居るよ、少しは言葉も慎しむがいい、太夫の位でも入山形に二つ星でも、女第一番の屑は遊女じゃないか、大家の嫁御寮と一緒にする奴があるものか」
「相済みません」
八五郎は膝っ小僧を揃えてヒョイとお辞儀をしました。
「ところで、長者丸の一件だが、そいつは思いの外に深い因縁があるかも知れないよ、暫くは眼を離さずに居るがいい」
平次のこの予言は、果して見事に当りました。
三
長者丸の村越峰右衛門の用心棒、槍の秋山彌十と、剣の富山七之助は次第に両雄並び立たざる心持に押上げられて行くのでした。
秋山彌十は三十四歳の分別者で、好んで人と事を構える性の男ではありませんが、食い詰め者の摺れっ枯らしなところがあり小作りで肥り肉で、不断の微笑を絶やさない心掛を持っているだけに、妙に相手に反感を持たせる癖もあったのです。槍は「名誉の腕前」と本人の宣伝ですが、どの程度の名誉かは誰も知らず、眼の配り、身のこなし、修業の苦心談など、折々に漏らす言葉の端々から、然るべき男ではあろうと、誰でも一応は推して居りました。
剣術の富山七之助は、グッと若くて二十七歳、これは骨張った青白い顔と、ギラギラ光る三白眼だけでも相当なもので、長身無口の青年、少し一国で気短かで、人付きのよく無い男ですが、腕の方はまことに確かで、江戸の山の手の道場