Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
四
もっとも――匕首には血も何んにも付いて居りませんでしたが――」
「その新吉というのは?」
「まだ十六で、私の甥には違いありませんが、両親が無くなったので、店に引取って面倒を見て居ります」
「岩三郎さんを怨む筋でもあったのかな」
「弟とは大の仲よしで――それに病身のせいもあって、猫の子のようにおとなしい男ですよ。――お滝とは前々から知り合いで、若い者同士で、何んとか思ったかも知れませんが、それはもう、他愛もない話で、才六は変なことを言いますが、私は気にも掛けて居りません」
岩太郎は声を立てて笑うのです。金と押しと男前に物を言わせて、女から女へと渡り歩く通人に取って、十六や十七の少年少女の恋などは、鼻風邪ほどにも思って居なかったでしょう。
四
平次は兎も角、一応家中の者に逢って見る気になりました。
妾のお峰――第二号の思い者は、二十五、六の達者そうな年増で、白象のような豊満な肉体と、タラタラと滴れそうな愛嬌と、その癖、気の強そうなカン高い声とで、かなり扱い難い女ですが、四十五歳の脂切った岩太郎に取っては、これは又一つの魅力であったかも知れません。
「そう申しちゃ済みませんが、旦那が少し気が多過ぎますよ。