Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
二
「十二月四日というのは明日だ、どう防ぎをつけたものか、それを考えて居るのだよ、――相手は黒旋風だ、敗けるか勝つか、向うは負けても恥にならないが、俺が敗けると、町方一統の恥になる」
「成程そう言ったものでしょうな――ところで何うしようというんです、親分」
「それを考えて居るのだよ、黒旋風にもやり遂げる見込が無きゃ、こんな手紙を書く筈が無い」
平次は武者振いを感ずるのでした。
二
十二月四日の池の端は、妙な人々の往来で、ザワザワと賑わいました。
四日月はとうに沈んで、夜は裏淋しく更けて行きますが、妙月庵を取巻く人の垣は、無生物のような静かさで、二重三重に、黒旋風の襲撃に備えるのです。
生垣の下に踞まるもの、塀の袖に隠れるもの、軒下にへばりつくもの、按摩、夜鷹蕎麦、流しの三味線などは、一体幾度往復したことでしょう。それが更くる夜と共に絶えて、やがて上野の亥刻(十時)が、耳の傍でゴーンと鳴り始めます。
この警戒陣の本部は、同じ池の端のそばや田毎に置いて、同心中の利け者、伊藤治太夫が全体への号令を掛けました。御用聞、下っ引、狩り集めた組子の総勢は二十八人、銭形平次は治太夫を援けて、全部の掛け引の責任を持ったことは言うまでもありません。