Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
目出度く酔っ払った一座だ、借金取の大軍が車掛りで押して来たって、滅多に驚くこっちゃねえが、火事と聴くと江戸っ子は気が早えや、それッと縁側から首を出すまでもない、何処からともなくクワッと挙がった火の手が、酔った額を焼金で叩くように照りつけた。火元を見定める隙もなく、一座七、八人、たった一つの梯子から、一の谷逆落しに庭へこぼれ落ちた。この騒ぎは瞬きをする間のことで、何が何やら解らず、少し気が落着いてから見回すと、火事は何処にあるか真っ暗でわからず、肝腎の灯まで消えて、お互の顔も見えなかった――」
「お前は一体何を話す積りなんだ」
平次の方が参ってしまいました。八五郎の長講一席は、何時果つべしとも見えなかったのです。
「早い話が、その騒ぎの中で、出雲屋の主人の弟岩三郎が、土手っ腹をえぐられて、一ぺんに死んでしまいましたよ」
「早くそれを言やいいのに、誰が殺したんだ」
平次もようやく膝を立て直しました。
「正直のところ、誰が殺したかわかりゃしません。二階から七、八人、真っ逆様に落ちるところを、下から突き上げんだから、たまりゃしません」
「下から突き上げたなら、下手人は大変な血を浴びたことだろう」