Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
二
と」
「待ってくれ、新吉。その時梯子段の下に人が隠れていた筈だが――」
「いえ、誰も居なかった筈です」
「誰も――?」
平次の予想は外れた様子ですが、恐らく伯父岩太郎を殺そうとした少年新吉の眼には、もう一人の曲者が居たところで、それは気がつかなかったことでしょう。平次はそう考える外は無かったのです。
二
平次はこの少年の心の中に潜むものを全部さらけ出さしてやる気になりました。
「伯父殺しは大罪だが、お前はそれを知らないわけではあるまい」
「よく知って居ります、磔刑か獄門か、いずれにしても無い命です。でも……」
「それを覚悟の上で、お前はそんな大それた事をしようと思ったのか」
「あれは本当の伯父でしょうか、親分」
「何? 何を言うのだ」
少年の思わぬ言葉に平次は聴き耳を立てました。
「あれは、私の親父の、兄だと言って居りました。でも、本当の兄なんかじゃありません。出雲の国の親父の在所から出て来たときは、乞食のような男だったと、皆んな言って居りました。――が、今ではもう、そんな遠い昔のことを知って居る者もなく、本当の伯父のように振舞って居りますが」
「それは何時のことだ」