Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
武家屋敷というと、町人の家より戸締が厳重な上に、長押には槍が掛けてあるし、御本人は御丁寧に冷たい人斬包丁を、二挺も三挺も取揃えて、生涯添寝をしているんだと思うと、あっしは気の毒で、気の毒で」
「安心しなよ、誰もお前を武家に取立てるとは言わないから」
「聴くと何んでも、主持ちの武家がうっかり押込にでも入られて、手籠にでもされようものなら、腹を切るか長のお暇になるか兎も角も、生涯人に顔を見せられないことになるんですってね」
「そんなこともあるだろうよ」
「だから起きるから寝るまで、人斬包丁を傍から離せなくなる」
武士の魂たる両刀を、脅迫観念の禁呪のせいにしてしまったのは、まさに八五郎の新哲学だったのです。
「それはわかった、岩見重太郎だって、宮本武蔵だって、八五郎よりは肝っ玉が太くなかったかも知れないということにして、お前は一体何んの話をしに来たんだ」
平次は膝をツン向けました。八五郎の「武家臆病論」には何やら含みのありそうな匂いがするのです。
「その武士の中にも、とりわけ臆病な武家があるから、お話の種なんで」
「誰だえ、それは?」
「どうせこちとらの友達や親類じゃありませんがね」