Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
「富山さん、取ってあげましょうか」
よく透る男の子の声、顔を挙げると、枝折戸を押しあけて、十二、三の小僧が顔を出して居ります。宗之助という十三になったばかりの、非凡の悪戯者です。
「拙者の刀を知って居るのか」
「其処ですよ、富山さん」
駆けて行くと宗之助は、小さい植込の陰から長大な一刀、――まさに紛れもない来国俊を拾って来てくれたのです。
「何うしてそんなところへ?――」
「犬がくわえて行ったんでしょう、白犬と来た日にゃ、そりゃ、大変な悪戯だから」
「いや、あの小犬には重い刀は運べないぞ」
「でも、大変な犬の糞ですよ」
「あっ」
富山七之助は胆をつぶしました。鞘の中程にベットリ付いて居るのは、紛れもない犬の汚物。
七之助は憤怒と汚辱感にブスブス燻りながらも、その刀を手水鉢のところへ持って来て、自分の手で洗う外は無かったのです。
「水をかけてあげましょうよ」
宗之助は側へ寄って、気易くそれに手伝ってくれます。
縁側の刀架けから、庭の植込の向う側まではざっと十歩、足をあげて蹴飛ばしたものがあったとしたら、刀は無造作に其処まで飛んで行くでしょう。しかも、刀架を置いてある場所は、仲のよくない秋山彌十の部屋の外で、秋山自身ならちょいと障子を開けて足を伸せば、そんな事は何んでもなく出来る筈ですが、部屋の中の秋山彌十に知られずに、刀