Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
一応近所の医者も呼びましたが、これは一と眼見ただけで全く手に了えず、続いて百人町の百兵衛が、丁度昨日の騒ぎから泊って居る、八五郎と一緒に駆けつけたことは言うまでもありません。
「ひどい事をするじゃ無いか、八兄哥」
百兵衛は兎も角も大臼を退かせて、死骸を起してやりました。勇太郎という男は、草角力の大関まで取ったというだけに、色白のでっぷりした恰幅で、大臼位はハネ飛ばしそうに見えますが、余程運の悪い回り合せだったでしょう。
「人間がこいつを叩き付けるわけは無いから、いずれ梁の上か何んかに載って居るのへ細工をして、夜遊びから帰って来た勇太郎が、表戸を開けて入ったとたんに頭の上へドカンと来たことだろうな」
平次さえ側に居なければ、八五郎もなかなかうまい知恵を絞ります。
「だが、こいつは変だぜ。八兄哥」
老巧な百兵衛は、八五郎の手軽な解釈に、疑間を挟みました。
「何が変なんだ」
「勇太郎は寝巻を着て居るし、側には床も敷いているぜ。外から帰って来て、表戸を開けたところへ、頭の上から臼が落ちたとは、どうしても思えないぜ」
「夜遊びから帰ったのじゃなくて、外へ出て小便でもしてよ、序にお月様でも眺めて自分の小屋へ帰ったところをやられたとしたらどうだえ」