Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
明神下の平次の家へ、八五郎がやって来たのは、それから三日経ってからでした。
「いずれ、そのうちに姿を見せるだろうよ」
「そうでしょうか、自分がお嬢さんを殺したものなら、何時まで待っても、向うからは名乗って出ないだろうと思いますが――」
平次の呑気さが八五郎には物足りない様子です。
「お前は、娘殺しを下女のお新ときめて居る様子だが、俺はどうも腑に落ちないことばかりだよ」
「へエ、私はまた腑に落ち過ぎてこまっているんだが」
「腑に落ち過ぎるという奴があるかえ」
「でも、女で、紅い裏で、腋臭の匂いでしょう。二階から新造のお通を突き落したのは、お通と間違えてお照を殺したに決まって居るじゃありませんか」
「そんな呑気なことは言えないよ、あの家には現に、腋臭のある女が二人居たんだ」
「?」
「娘のお照と下女のお新さ」
「ところが、その娘のお照は殺されたじゃありませんか」
「お通を二階から突き落した時は、お照はまだ生きていたよ」
「すると親分」
「物事はそう、呑気に片付けてしまってはいけないということさ、俺はお照が、義理の母親を二階から突き落したと思ってるわけじゃ無い」
「フーム」
「不服そうだな、――例えば、だよ、八」