Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme

Aozora Bunko

此処に居ると縛られるに決って居りますから、何処か遠くの方へ逃げてしまい度いと思います。――でも差迫って不自由なのは路用で、今のところ何にも無く、明日にも路頭に迷わなきゃなりません、済みませんが、私の荷物の中に貰い溜めた給金、小判で五両ほどぼろに包んで隠してあります、それを取って頂けませんか』――とこう申すじゃありませんか」

「――」

「それから私は『嫌』とも申兼ねて、お新の部屋の行李の中から、溜めた金の五両を取り出し、外に私の手許にあった、当座の雑用五両――それは主人から預った金でございますが、兎も角もそれを添えて十両に纏め、お新の手に握らせてやりました」

「――」

平次は黙って聴きました。内儀のお通の話は、少し粘った調子ですが、それでも要領よく運んで行きます。

「お新は伏し拝んで、『この御恩は決して忘れはいたしません、こんな親切な方とも知らず、御新造様には、散々仇をいたしました、それでは、これで』――と、私が何んか訊こうとするのも待たず、闇の中に姿を消してしまったのです」

「それは良いことを聴かせて貰いました。ところでお新は、どんな悪いことをして縛られるのか、どうして此処を逃げ出さなきゃならないのか、それを詳しく言わなかったので?」