Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
二
「私は呼び留めてそれを訊こうとしましたが、どうにでも取れるような事を言って、大急ぎで逃げてしまったのです。――私には済まないと思いながら、金に未練があって戻って来たのでしょう。うっかり男達に見付かると、どんな騒ぎになるかもわかりません」
「その時、どうして御新造は、大きな声でも立てて皆んなを呼び覚さなかったので」
「それは無理ですよ、親分、お新の後ろには、少し離れて、男の人が付いて居りました。植込の陰、庭の切戸のあたりでした。私はてっきり、お新は男をつれて強請に来たことと思い込み、見す見す逃がしてしまいましたが、後になってお新が殺されて死骸を藍染川に投り込まれていたと聴いて、あの男はお新の後を跟けて来た悪者で、私の家を出ると直ぐ、お新を殺して十両の金を奪った悪者に違いないと思い当りました。あの時、声でも立ててお新を引留めたら、反って生命を助けたかもわかりません。飛んだことをしたと、後では口惜しがりましたが――」
お通はそう言って、萎れ返るのです。
二
その日は平次も、それだけで引揚げる外は無かったのですが、念のために、もう一度お新の死骸を見る気になりました。