Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
三
浪人宇佐美敬太郎講釈口調でまくし立てるのです。年の頃三十五、六、薄手な四角な顔、凄まじい青髯、目が細くて唇が薄くて、何んとなく底の知れない精悍さがあります。
「有難うございます。いずれ手に余ればお願いいたしますが、今のところは先ず」
平次はさり気なくあしらう外は無かったのです。
三
同心伊藤治太夫は、妙月庵の前まで、念入の視察をしながらやって来ました。やがて亥刻半に近かったでしょう。道々の配置も充分、庵を繞る備えは、二重三重の防ぎで、容易のことでは、凶賊黒旋風も近づけそうはありません。
妙月庵――というのは、徳川期の中頃まで町家の中に割込んだような、美しい、が、堅固な庵寺でした。其処で頒ける厄除けの護符が有名で、府内に多くの信者を持ち、わけても本尊の如来は、名作の一つとされ、安政震火まで、土地の名物に数えられたものです。
庵主の大堅和尚は、黒旋風の脅迫があったにも拘らず、清浄な庵内に、不浄の役人を踏み込ませることを嫌い、役僧、小僧、寺男二人と共に庵内に籠り、静かに経を読み、香を炊いて、物ともせぬ姿でした。
同心伊藤治太夫は、此処へやって来たのです。