Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
堅固で――」
「道心堅固は変だな」
「兎も角も、皆んなに好かれて、旦那の依右衛門には嘗めるほど可愛がられながら、お通の尻はどうも落着かない」
「?」
「誰とも知らず、お通に仇をする者があるのですよ、命を狙って居るのか、お通を追い出そうとするのか、そいつはわかりませんが、兎も角も引っ切り無しの悪戯だ」
「どんな事をするのだ」
平次もようやく真面目に耳を傾けました。
「眼玉に吹矢が突っ立ちそうになったり、風呂桶の中で溺れかけたり、二階から降りるところを、誰かに突き飛ばされて、とんでもない怪我をさせられたり、思い出したように、月に一度位ずつ恐ろしい眼に逢わされたそうですよ」
「フ――ム」
「その度毎に、怨む者の仕業に違い無いからと、お通は身を退こうとしましたが、主人の依右衛門は引留めて放さない、よっぽど気に入ったんですね」
「で?」
「まア、騙されたと思って、一度見てやって下さいよ、三十二の大年増だが、そりゃ大したきりょうで」
「尼さん還りのきりょうなんか訊いてはしないよ」
「そのお通さんが、三日前の夕方、もう薄暗くなってから、井戸端で何んか始末をしていると――あの辺の井戸は浅いから、手釣瓶で水を汲んだところを、いきなり風呂敷か何んか冠せられて、後ろ様に引倒され、声を立てる間もなく、髪を切られたんだそうですよ」