Japanische Klassiker mit Furigana
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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Lesen Sie おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 194.415 Zeichen · 391 Bildschirme
一郎君は白犬を、グッとだきしめて、ゆだんなくあたりを見まわします。
四時までは、なにもあやしいことはなかったのです。一郎君はオモチャの白犬をだきしめたまま、すこしも手からはなしません。おとうさんは、一度、手洗いに立ちましたが、すぐ帰って、大きな目をむいて、白犬を見つめています。ドアの外と、庭にいる、ふたりのボクサーも、ちゃんと、もちばについています。アリのはい入るすきまもないのです。
応接間のたなの上には、大きな置時計が、チクタクと秒をきざんでいます。四時一分まえです。
「あと一分間ですね。」
「うん、一分たてば、こっちの勝ちだ。もうだいじょうぶだよ。」
そういいながらも、おとうさんも一郎君も、青い顔をしていました。その一分間が、なんだか、おそろしいからです。
そのとき、チリリリリ……と、けたたましく、たくじょう電話のベルがなりました。おとうさんが、受話器を耳にあてますと、気味のわるい、しわがれ声が聞こえてきました。
「井上さんですか。一郎君のおとうさんですね。わしは魔法博士です。もう三十秒で四時ですよ。四時かっきりに、あれをもらいますよ。あと二十秒です。