Japanische Klassiker mit Furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme
「子供をそんなにいじめなくてもいいじゃありませんか」
「何もいじめたりなんかしませんよ」
「だって──あんな皮肉っぽい言い方をせずに、すなおにこうこうと教えてあげたらいいじゃないの」
「苦労せずに教えられたことは忘れやすい。苦しんで、考えて、自分の力で、やり方を見つけたら、それは忘れませんよ。私はあの子に忘れてならぬことを教えているのです。自分の力でやりぬくことを、ひとりで生きてゆく道を──」
「それもそうでしょうけれど──あんな小さい子供さんにはちと無理ですよ」
「そうでしょうか」
「今まで大学生の教育に当たっていなさったから、そんな方針でもうまくいったのでしょうが……まだ充分な能力も備わらぬ小さい者に完全を求めて、ぎゅうぎゅう詰めこんだり、厳格に鍛えすぎたりすると、小さい風船にたくさん水素を詰めるようなもので、破れてしまいますよ」
「なるほど、そうですなあ、しかし私はこんな体でしょう。これなら大丈夫という見込みをつけておいて眼をつぶりたいのですよ」
「あなたのお気持ちも充分分かりますわ、けれども、誠一さんの様子を見ていると、お父さんの前へ出ると、また何か鍛えられるのじゃないかと、びくびくしているように思われます。