Japanische Klassiker mit Furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme
事件の筋は明らかである。どちらもわざと悪いことをしたのではない。どちらにも過失があり、しかもある程度不可抗力も加わっているようである。裁判官としての父もなかなか正しい判決を下しがたい。どうやらこれは私のさいふから金が出て、それで誠一が代償の人形をきょう町から買ってくることに落ち着くらしい。
二人ともなかなかうまい理屈を並べる。それを聞いている私はしみじみうれしかった。理屈を並べるそのことはちっともうれしくはないのだが、二人の幼い者が、そんな理屈を考え出し、筋の通るように論陣を張るほどに、それぞれ成長してくれたことを知るのがうれしかったのである。すぐにつかみ合ったり、泣き出したりせずに議論をどこまでも押し進めてゆくそのやり方がまたうれしかった。
よく大きくなってくれた、母がなくなったときには、なんだかひどくたよりない、ぼんやりした子供で、果たして男手ひとつで育て上げることができるかしらと全く心細く思われたものだったが……。三年前だった、妻の骨を家の焼け跡に拾い、バケツに入れ、大きな松がぽっきりねじ切られ松脂のにおう荒れた墓に埋め置いて、つえをたよりにとぼとぼ山路をたどり、山の家に生き残っていたこの二人の子供をたずねて行ったのは──