Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
――が、勅命いなみ難しとおうけはしたものの、
「勅を以て取り上げらるるはお気の毒の限りですし、それでは当人の面子もありませんから私が参ってみずから頂戴しましょう」
と、長安へ立った。そして府中に病臥中の曹真に会い、病を見舞って四方山のはなしの後、
「時に、呉の陸遜、蜀の孔明が、緊密に機を結びあって、同時に、わが国の境へ攻め入ってきたのをご存じですか」
「えっ。そんな事態ですか」
――曹真は愕然として、
「何しろ、この病体なので、誰もほんとのことを知らしてくれない」と、痛涙にむせんだ。
「からだにお毒ですよ」
と仲達はなぐさめて――
「それがしがお扶けしますから帷幕のことはあまりご痛心なさらぬがよい」といった。
「いや、いや、この病身では、ついに国家の大危局を救う力など到底わしにはない。どうかご辺がこれを譲りうけて、この大艱難に当ってくれい」
と、総兵之印をとりだして、たって、司馬懿に押しつけた。司馬懿は、再三辞退したが、
「朝廷へは、わしから後に奏聞しておく。決して、卿に咎はかけない」
といって、どうしても肯かないのである。仲達も断りあぐねた態をなして、それでは一応お預かりしておくと答えて受け取った。