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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme

Aozora Bunko

いま蜀中から銭糧の資を醵出して戦力増加に当っているのは李厳その人ですから、その当事者と丞相との間に確執が生じては、戦力の上に大きな影響がないわけには参りません。どうかここは胸を撫でて苟安の死はゆるしてやっていただきたいと思いますが」

孔明は沈黙したまま、熱い湯を呑むような顔をしていた。さきには、あれほど惜しんでいた馬謖をすら斬らせた程、軍律にはきびしい彼なのである。けれど今はそれをすら忍んだ。

「死罪はゆるす。しかし不問に付しておくわけにはゆかない。杖八十を加えて、将来を戒めておけ」

楊儀は、彼の胸を察して、深く謝して退がった。

苟安はそのために、八十杖のむちを打たれて、死をゆるされた。けれど彼は、楊儀の恩も、孔明の寛仁も思わなかった。反対に怒りをふくみ、深く孔明を恨んで、夜半に陣地を脱走してしまった。

家来、五、六騎と共に、そっと渭水を越えて、魏軍へ投じてしまったのである。そして司馬懿の前にひざまずいてさんざんに孔明を悪くいった。

「至極もっともらしいが、急には信用いたし難い。なぜならばそれも孔明の計かも知れないからな」

仲達は要心深く彼をながめて、