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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme

Aozora Bunko

「まことに、辛諫議のことばは当っておる」

やがて木門道から取り上げてきた屍に対して、帝は厚き礼を賜い、洛陽を人と弔旗に埋むるの大葬を執り行って、いよいよ、討蜀の敵愾心を振起させた。

一方、孔明は、軍を収めて、漢中の営に帰ると、すぐ諸方へ人を派して、魏呉両国間の機微をさぐらせていたが、そこへ成都から尚書費が来て、率直に朝廷の意をつたえた。

「何の理由もなく漢中へ兵をおかえしなされたのは何故ですか。帝もご不審を抱いておられますぞ」

「近頃、呉と魏との間に、秘密条約が結ばれた形跡ありとのことに、万一、呉が矛を逆しまにして、蜀境を衝くような事態でも起っては重大であると思うて、急遽、祁山を捨てて万全を期したまでであるが」

「おかしいですな。兵糧運輸の線は、充分に活動しておりましたか」

「とかく後方からの運送はとどこおりがちで、ために、持久を保ち、糧食を獲るためにも、種々、作戦以外の作戦と経営をなさねばならなかった」

「それでは、李厳のはなしと、まるであべこべです。李厳の申すには、このたびこそ兵糧にも困らぬほど、後方からの運輸も充分に行っているのに、孔明が突然退軍したのはいぶかしいことであるとしきりに申し触らしています」