Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
水火
一
しかし、その途中で、蜀の高翔が率いる輸送隊にぶつかったので、戦いは、曠野の遭遇戦に始まった。そして魏軍は多くの木牛流馬と蜀兵の捨てて逃げた馬具、金鼓、旗さし物などを沢山に鹵獲したのち、凱歌賑やかに帰ってきた。
水火
一
魏軍の一部は、次の日も出撃を試みた。その日も若干の戦果を挙げた。
以来、機をうかがっては、出撃を敢行するたびに、諸将それぞれ功を獲た。その多くは、葫芦の口へ兵糧を運んでゆく蜀勢を襲撃したもので、糧米、輸車、そのほかの鹵獲は、魏の陣門に山積され、捕虜は毎日、珠数つなぎになって送られて来た。
「捕虜はみな放して返せ。かかる士卒を殺したところで、戦力を失う敵ではない。むしろ放ち返して、魏の仁慈を蜀軍のうちに云い触らしめたほうがよい」
司馬懿は惜し気なく捕虜を解いて放した。ここ久しく合戦もなく、長陣に倦み、功名に渇していた魏の諸将は、われもわれもと司馬懿のゆるしを仰いで戦場へ飛び出した。そしておのおのの功を競い、またかならず勝って帰った。そういう連戦連勝の日が約二十日余りもつづいた。
「――出て戦えば、勝たぬ日はない」
近頃では、それが魏の将士の通念になっていた。