Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(八) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.604 Zeichen · 391 Bildschirme
――かくてこそ一家は円滑に、その営みはよく治まって参りますが、仮に、その家の主が、奴ともなり婢ともなり、独りですべてをなそうとしたらどうなりましょう。体は疲れ気根は衰え、やがて家亡ぶの因となります」
「…………」
「主は従容として、時には枕を高うし、心を広くもち、よく身を養い、内外を見ておればよいのであります。決してそれは、奴婢鶏犬に及ばないからではなく、主の分を破り家の法に背くからです。――坐シテ道ヲ論ズ之ヲ三公ト言イ、作ッテ之ヲ行ウヲ士大夫ト謂ウ――と古人が申したのもその理ではございますまいか」
「…………」孔明は瞑目して聞いていた。
「然るに、丞相のご日常をうかがっておりますと、細やかな指示にも、余人に命じておけばよいことも、大小となく自ら遊ばして、終日汗をたたえられ、真に涼やかに身神をお休めになる閑もないようにお見受け致されます。――かくてはいかなるご根気も倦み疲れ、到底、神気のつづくいわれはございません。ましてやようやく夏に入って、日々この炎暑では何でお体が堪りましょう。どうかもう少し暢やかに稀れにはおくつろぎ下さるこそ、われわれ麾下の者も、かえって歓ばしくこそ思え、毛頭、丞相の懈怠なりなどとは思いも寄りませぬ」