Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

二

そんなこととは知らないから、かわいそうに萩乃、もうこの人のためには家もいらない、命もいらないとまで思いこんでいるようす。

あんなに自分をしたう左膳の胸中は、つゆほども知らずに、悪魔的な源三郎を恋いこがれるなんて、人の心はどうしてこう食いちがうのでしょう。

すると、です!

さっきから、隣室の境のふすまのかげに、ソッときき耳をたてていた六兵衛の娘、お露さん……。

くわしいことはわからないが、二人の話で、だいたいの模様は察しられます。

許婚なんだわ、このふたりは――とそう思うと、眼の先に赤い布を見た牛のように、お露は、カッとして起ちあがっていた。

父六兵衛の寝息をうかがって、しずかに土間へおりたお露、潜戸をあけた。

そして、パッととびだしたんです。コレ! どこへ? 嫉妬に狂って。

二

パッととびだした……パッとかけだした鼓の与吉。

もう、夢中です。

若党でも、儀作、侍のはしくれだけに、刀一本をぶっさしている。

まさか竹光じゃアあるまい。

今にもうしろから、バッサリ斬られる――と思うから、イヤ与の公、このときの逃げ足のはやかったことといったら、それこそ、見せたいようでした。