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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

御代参

一

山野、街道の砂ほこりにまみれ、人血の飛沫に染んだ例の白衣に、すり切れた博多の帯を、それでもきちょうめんに貝の口にむすび上げ、ずしりと落とし差した妖刀濡れ燕の重み――。

抜けあがった大たぶさを、ぎゅっと藁でしばった変相妖異のつらがまえ。

竹の棒のように痩せさらばえた長身の、片ふところ手……とことわるまでもなく。

かた手ははじめッからないんだったッけ。

しかめッつらに見えるのは、右眼をつぶしてななめに走る刀痕のゆえ。

ニュッとあごをつき出し、幽霊のように蹌々踉々と歩きながら、口の中につぶやいてゆくのを聞けば、

「燕雀何徘徊、意欲還故巣――か」

がらにないことをブツクサ口ずさんで、

「おい左膳、こうして手ぶらで江戸へけえってきたところをみると、おめえも、よっぽど里ごころがついたのだろう」

自分を相手のひとり言。一歩ごとに濡れつばめの鍔のゆるみが、カタコト鳴るのが、「人が斬りてえ、アア人が斬りてえ」――というように聞こえるので。

チョビ安の野郎は、どうしたろう?

柳生源三郎は? 萩乃は?

と、想うことは山のよう……とにかく、自分に会う前にチョビ安がいたという、あさくさ竜泉寺のあのトンガリ長屋とやらへ行ってみたら、ことによったらその後のようすがしれようもしれぬ。