Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
アパアトの部屋で、夜おそくまで二人ぎりでいたって、それはちゃんとしたものでした。それは私、誰の前でも、公明正大に云って上げられるんですよ」
伸子は、聞いていて、ほほえましい心持がした。求めもしないのに佃に与えられた信用状を、喜んだこともあろう。直子が佃の行状を保証することで、間接には自分の潔白さをも力説するのが、伸子に、自ら微笑をもたらしたのであった。伸子は、優しく相手の言葉を承認した。
「そんなことについて、私何とか思ったことはなくてよ」
直子は、輝きのでた眼で伸子を見た。
「あなたはそうですとも。わかっていますわ。ただ当時、ずいぶん迷惑な噂をたてられたのでね、私自分に疚しいところは一点もないけれども、佃さんにもお気の毒だし、自分も困るから、一先ずおつき合いをお断りしたんですよ――お話しようと思ったのはね、佃さんには、私、今だって好意を持っていますが、あの人は友達以上に入ってはいけまい、と云うことなの……あなたがよ――きっと幸福に行きませんよ」
「そう? なぜ」
「なぜって……私そう思うんですもの」
「どんな根拠で?」
直子は、自信ありげに答えた。
「あれだけ御交際しましたもの、少しは解っていますわ、決してわるい方ではありません、けれどもね――私はどうしてもそう思うのです」