Japanische Klassiker mit Furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lesen Sie 伸子 (のぶこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.543 Zeichen · 466 Bildschirme
――やっぱり一年に何度というくらいしか来てくれないけれど、あなたにもきっといいお友達ですよ」
直ぐ階段に跫音がした。ノック。扉が開き、好奇心と期待とを佐保子の言葉から感じた伸子の前に一人の女が現れた。
「こんにちは」
「今も悪くちを云っていたところよ、あなたが稀にしか来てくれないって」
「あなたの方がもっとひどいじゃありませんか、こないだ来てくれたのが初めてだもの」
二人の話しぶりには、伸子と佐保子との間にある気分と異ったものがあり、伸子は思わず微笑して、問答する彼女達を見守った。
「御紹介しましょう、佐々伸子さん、こちらは吉見素子さん、お父さんの脛かじりのいい身分の人ですよ」
素子は、
「変な紹介だな」
と云い、苦笑した。
「これでも食うだけは自分でどうにかしていますよ」
「――××××の編輯をしていなさるのよ」
伸子は、思わず素子の顔を見た。我儘っ子らしい、感情家で勝気なところがあるらしい素子の第一印象と、彼女が一度だか見たことのあるその時代にすてられたようなある団体の機関雑誌とは、およそかけはなれたものに感じられた。素子はてれたように、
「いやんなっちゃうな」