Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

尻ッ尾の痕

度胸も要れば、智慧もいる。坊主になるよりは生命がけだぜ。まア、辛抱し、辛抱しろ」

と、なぐさめて、

「時に、腹はどうなんだ。まだ朝飯も喰っていねえんだろう」

市十郎は、黙ってうなずいた。大亀は、ちょっと懐中へ手を入れて考えたが、ままよという顔つきで、

「とにかく、どこかで温ッたまろう」と、彼をつれて、また歳の市の人波の中へ歩き出した。

尻ッ尾の痕

――この月の十五日。あの大雪の朝。

お島の家をとび出してから、市十郎はふたたび、飢えの巷を、迷いあるいた。

兄の主殿に一目会って――と、実家の近所を幾日もうろついたが、ついに主殿の姿は見られなかった。のみならず、どうしたことか、実家の門は、昼も夜もなく閉まっている。

赤城下の叔父の屋敷を窺ってみると、ここも同様、昼なのに門が閉まっている。さては何か、起ったかと、自分の顔を見知らない新参の仲間が、外へ出て来たところをつかまえて訊ねてみると、

「半月ほど前、賊が入った時、公儀のお城図面の一枚が紛失したので、旦那様はその申しわけにと、遺書して、御切腹なさいました。何とも、お気のどくなわけで」

と、いい、また同夜の盗賊については、