Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

Lesen Sie 大岡越前 (おおおかえちぜん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 218.436 Zeichen · 437 Bildschirme

Aozora Bunko

目明しの辰三は、うすうす知っていたので、

「まさか……?」とは思ったが、念のため、そこの住居となっている店横の一部屋をのぞいてみると、左右太が、お次をそばにおいて、昼から酒をのんでいた。

「こいつあ、あきれた」

辰三は、ためらったが、役所の急用というのに、姿が見えず、同僚たちも心配しているところなので、

「左右太様。みんなが、探していましたぜ」

窓の外に立って、気がねしながら注意した。

「なに、おれか」

左右太は立つ様子もなく、

「飯休みに、ちょっと、ひと昼寝していたのだ。たいした用でもあるまい」

「何か知りませんが、お奉行がおよびだとかいうことで」

「うそをつけ。おれはここ三日間の報告を午まえにすまして、もう御用ずみの体だ。少しは、息をつかなくてはやりきれぬ」

ところへ、義平太も、嗅ぎあてて来て、辰三から、それと聞くと、

「怪しからぬこと」

と、共に声をあららげて、窓からどなった。

「左右太。何をしておるッ、お奉行のお召しだぞ、すぐに来いっ」

これには、山本左右太も、疑ってはいられなくなったとみえ、

「ほんとか。義平太」

「たれが、わざわざこんな所まで来て、嘘をいうか。