Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

銀の十字架と祈祷書

「エッ、面倒、組み討で来いッ」

「何をッ」

二人は刀を投げ捨ててガッキと四つに組み、上になり、下になり、捻じ合い、むしり合い、引っ掻き合い、噛り合いました。血と泥とがはね飛んで、二人は見る影もなき浅ましい業体になりました。

何時の間にやら組み敷いた相手が、死んで居ることに三十郎は気が付きました。見ると、誰が何うして投ったか、一條の小柄が相手の武士の首筋を縫って、血は庭石も浮くばかりに其辺をひたして居ります。

四方を見廻しましたが、誰も居る様子はありません。いや居ないではないが、三十郎に気が付かなかったのです。書院の窓を細目に開けて、其処から覗いて居る残忍極まる眼、――血の笑いを笑った眼の異常な光を、三十郎は見のがして居るのでした。

銀の十字架と祈祷書

一方は新嫁のお夏、

婚礼の三日目に、フラリと出て行った夫の三十郎が、何時まで待っても帰って来ません。後に落ち散った結び文を拾って、行先は崇巌院と言うことは解りましたが、若党や草履取を迎えにやっても要領を得ず、堪え兼ねて、三日目には自分で迎えに行って見ましたが、崇巌院の玄関番は、剣もほろろの挨拶で、まるで要領を得させません。