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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme

Aozora Bunko

と佐吉が畳にひれ伏すと、鯛六はそれを押し止めて、

「いやいや彼れも此れも、皆私が至らぬから起こった事、死んだ小紫にも済まない事を致しました。鑿を執った私の心の中に未練があったばかりに、一生懸命になればなるほどあの人形には見るほどの男を迷わす不思議な妖気があったのでしょう、彫物師の恥で御座います」

へり下って、松本鯛六は、うな垂れます。

「それにしても、人形が私の女房を殺したと訴え出て、人形の首を獄門に曝すような事になすったのは、何う言う訳で御座いましょう、差支えが無かったら仰しゃって下さい」と佐吉、

「御不審は尤もですが、あのように仇めかしい人形を彫って、散々諸方に罪を作らせては、自分の像を曝し者にしてくれと言った小紫の心持に反くばかりでなく、反って小紫の罪業を重ねたようなもので御座います。そこで、人形の首を斬らせて、獄門台に曝させるようにしたのは、せめてもの私の志、これであの世の小紫の罪業も尽きたことで御座いましょう、――御覧なさい、その首の人相を――」

言われて、膝の上の人形の首を灯に向けると、嘗つてありし仇めかしさも艶やかさも消え失せて、眉を垂れ、眼を伏せ、神々しい法悦が、限りなく美しいうちにも一杯溢れて居ります。