Japanische Klassiker mit Furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.139 Zeichen · 208 Bildschirme
彼女は揮発した!
念の為、私の肖像を描いた額も裏から透して見ました。これは獰猛兇悪な※々の顔です。廊下に飛んで出て、階子段の上の額を透して見ると、乱塔場の夜、鬼火の燃える中で、骸骨が乱舞してる絵が描いてありました。
彼女は揮発した!
妙子の恐怖は想像も及びません、どんなに慰めても励ましても、一度ヒドく傷けられた心は、元の明るい和やかさに返る様子もありませんでした。不気味な呪いの額を取り払った下で、恐ろしい懊悩に身も心も虐げられ乍ら、「私は死に度い、あんな恐ろしい姿になるのはイヤ、誰にも見られないように、少しでも美しさの残って居る中、そっと死にたい」
そんな事を口癖に言って居りましたが、到頭それが事実になって、不思議な結末が私達の上を見舞う日が来ました。
ヒステリー症状が起ってからは、万一を気遣って、刃物や毒物は側へ置かないばかりでなく、私の居ない時は、昼も夜も厳重に寝室の扉を閉して、絶対に脱け出す方法の無いようにして居りましたが、或る日、何処から何うして脱け出したものか、厳重に錠を卸した部屋の中から、病み疲れた妙子の姿が、本当に煙のように消えて無くなってしまったのです。