Japanische Klassiker mit Furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Lesen Sie 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) von 小出 楢重 (こいでならしげ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.351 Zeichen · 657 Bildschirme
。はァなるほど、足りませんナ、奥さんは財布から一円出しました。
「こんなに沢山はいらないんですが」と彼はまた頭の毛を引掻きながら金を寄せ集め、ポケットへ捻じ込んで駆け出したそうです。多分ちょっと飲むために。
B日、広島から二、三度手紙を寄こしたMというのが突然訪れて来ました。まさか唐突にやって来まいと思っていたのが、やって来たのです。白い毛糸の頸巻きをして広島土産の蠣を籠に一杯ぶら下げてぼんやり立っています。大阪には親しいものは一つもないのだそうです。僕の家は二階は一間切り、それも画室になっているし、階下は家のもので占領されていますし、とうてい書生を収容する空間は一つもないのです。Mは夜汽車の睡眠不足と画室のストーブの温かみとで、頭が痛いといい出しました。
下の部屋は子供が熱を出して寝ているんですが、その隣りへ寝かすことにしました。僕は猫の子が一匹迷いこんで来ても、かなり神経を悩ますのですが、人であってしかも田舎の語で意志もよく通じかねるのですから、これにはまったく弱りました。
C日、T君が朝やって来ました。この人四十歳位です。もと商売と俳句を兼ねてやっていたもので評判の好人物です。