Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.193 Zeichen · 131 Bildschirme
「可哀そうにね。彼那に悲しいのかしら」
「僕、実際いやよ、あんなのを見ると堪らなくなっちゃう。別のに乗ればよかった」
自分は、父と一緒に米国に立った時の心持を思い出した。決して彼那に涙は出なかった。
又、Aと別れて日本に独り帰る時のことを思い浮べた。あの時は、泣くところを通り越し、少し変にもなって居たらしい。
横浜を過ぎると、その婦人の涙も止った。何よりのことだ。
鎌倉には、十二時一寸前に着。当にして居た倉知の川島と云う男非番で居ず。荷物も未着。紅屋でお菓子を買い、とにかく倉知に行く。因循だと云うので、国男、関さん達に評判のわるいTさんにも始めて会う。悪意を含んで居るのではあるまいが、パッシイブに進出生活力が乏しい傾向らし。或点から云うと不幸に負けたとも見える。
昼飯後、Tさん東京に行く。川島は荷物を運ぶに雪が深すぎるからと云って、明日にする。どうしても今夜は、倉知の世話になるほかないと云うので、一先ず、じいばばの家を見に行く。雪がひどいのに皆低い下駄でひどい目に会う。
新らしい丈居心地はよさそうだ。青山の変に赤黄色い唐紙とは違い、西に向って一間の出窓と、南の方に相当な縁側があり、感じは、今のうちは少くとも、眩しくない程度に明るい。