Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「そしてお母さんは、なんでも兄さんを立てとってじゃけえ、衝突の起る理由がなえじゃないか」
「いつから、そういう噂が立ってるんだ?」
「俺の耳へ入ったのは、この春頃からだが、村の奴は寄ると触ると、ヒソヒソそういう噂ばかりしとる……」
「そういう噂を、兄は知ってるだろうか?」
「兄さんの耳へ入るわけは、なえじゃないか。近郷切ってのお大尽様で、立っとるんだもん。兄さんの耳へ入れる奴がどこにある?」
「兄は、村では評判が、悪いんだろうか? そんな噂まで立てられて……」
「悪いどころか! 誰だって、賞めとるよ。ようでけた心の広えお方じゃと……あの人柄だもん、悪くいわれるところなんぞ、なえじゃなえか……」
「評判が悪くなくて、それでそういう噂を立てられて……」
と、私はまた、考え込みました。飲んだ酒がスッカリ冷め切って、ただ手足がブルブルと震えてくるばかりです。しかもなんと考えても、私には思い当るところがありません。
「ま、新さん、そねえに思い詰めなくとも、ええじゃなえか! ハッキリなにも、そうと決ったわけじゃなえ。そねえなバカな蔭口を立てとる奴があるから、困るというとるだけなんだ。