Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
翌る朝腫れぼったい眼をして、私が茶の間へ出て行った時には、兄夫婦はもう朝の食事も終えて、食後の茶を飲んでいました。
「おう、どうしてえ、よう眠れたけえ?」
と私の顔を見るなり、兄は声をかけました。
「……うん……まあ……」
「風邪はどうけゃ?」
「……それも直ったが……」
「せえだらええが……わしはまた、ブリ返しじゃなえかと、心配しとったんだ。……なんだか、元気がなえのう。無理せずに、も少し寝とったらええんじゃなえかな?」
「……兄さん、少し話があるんだが……どこかへ出掛けるのかね?」
「組合へ、顔出しゅしょうかと思うとったが。ナニ、すりゃ、後だってええんだ。何けえ? 話ってのは?」
「せえじゃ、話が済んだら、お飯にしようじゃなえの」
と、兄と弟の密談と思ったのでしょう、嫂は席を外しました。
「何けえ? 用てのは?」
「うん……ちょっと、話したいことがあるんだ!……外へ出られんかね?」
「外へ?」
と兄は、怪訝そうな顔をしました。
「構わねえが、ま、お前飯でも食うたらどうけゃ?」
「……食べたくないんだ。……出よう」
「朝っぱらから、仰山な用だのう」
裏口から二、三町行くと、子供の頃私や弟が泳ぎに行った、狩野川が流れています。