Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
と親父は眼鏡を掛けて帳合いをしながら、いっこう平気なのでございます。
「冗談じゃないぜお父つぁん! いったい誰がこんな物を使う? なんだってこんな途方もない物を仕入れて来たんですい?」
と私には親父の肚がわからないもんですから、眼を円くして凝視ました。
「ハハハハハハお前がきっとそういうだろうと思ってたのだ! 彦吉、文句を言わずにこれを見ねい! これを!」
と親父はすこぶる上機嫌で帳場格子の中から、今まで自分の調べていた仕切りを差し示すのでございます。なんと、親父の手で抑えているところには十八円五十銭と書いてあるではございませんか。この素晴らしい縮緬の蒲団が一組たった十八円五十銭! タダみたいな値段でございます。東京からの運賃一円十銭を入れましても十九円六十銭! 拵える時にはおそらく百四、五十円も、あるいはもっとかかったかもしれません。その新品同様な蒲団がたった十九円六十銭! 値ではございません。
「お父つぁん! お前ほんとうにその値で買いなすったのかえ?」
「そうともよ! この値で買わずにどの値で買う? ハハハハハ彦吉! 魂消たか! 年は取っても父つぁんの腕金には筋金がへえっていらあ! この秋東京には仕入れに上った仲間内は八百人や千人はあるだろうが、まずこのくれえの掘出し物をしたのはそう言っちゃなんだが父つ